オステオパシーとは、1874年にアメリカ人医師のA.T.Stillが創始した医療体系です。
ギリシア語のosteon(骨・生命の構造)とpathos(病・療法)という言葉を組み合わせて作ったのがosteopathyです。
ベースは西洋医学で、東洋医学などの自然療法が組み合わさった医学になります。
西洋医学と東洋医学の間を繋げる医学だと思っています。
日本では法制化されていませんが、発祥のアメリカでは医師免許を所得していないとオステオパシーは扱えません。(DO:Doctor Osteopathyの免許が必要)またヨーロッパ各国では、国家資格として認められており法制化されて、国立の大学にオステオパシー学部がある国もあります。
世界保健機構(WHO)でも教育基準が画一化されており、一定の教育基準をクリアしたオステオパシー実践者をオステオパスと呼びます。
日本の整体や接骨院などの代替療法にも多大な影響を与えており、国内でもオステオパシーは徐々に拡がりをみせています。
当院で出来ること
当院には「病院で検査しても原因が分からない」「治療しているが改善しない」などの方が多く来られます。
私は理学療法士として整形外科と麻酔科に10年間勤務しており、病院で良くなる人も沢山見てきた反面、原因が分からず説明出来ない人も見てきました。
レントゲンやMRIなどの画像検査で明らかに骨に問題があったり腰のヘルニアがあったりすると「ここが原因で痛みが出てるんだ」となりますが、画像所見で何も問題が見つからないのに「足が痛いんです、、」という人がいました。また明らかに画像上、問題があるのに「全く痛くないですね」という人もいました。
何でなんでしょう?
私が勤務していた時の院長は「どんな名医でも、最初に正確な診断を下せるのは3割くらい」と言っていました。それだけ正確に診断して原因を見つけるということは難しいんだと思います。
オステオパスとして患者さんに出来るのことは、患者さんの身体の動きや組織の触感、関節の動き、圧痛などを用いて身体のゆがみや異常な組織を検査し、その原因を見つけて調節することです。
画像上は問題がなくても、触って動かしてみると動きが固かったり、痛いところと全然違うところに原因があったりすることがあります。
オステオパシーでは西洋医学とは異なった視点で患者さんを診ていくことで、根本的な原因を探し出すことで最善の治療法を行えると考えてます。
また、オステオパシーでは5つのモデルで包括的に患者さんをサポートしていきます。
①バイオメカニクスモデル
姿勢や筋骨格の異常が体の状態に与える影響
②呼吸循環モデル
呼吸や血液やリンパの流れの異常が体の状態に与える影響
③神経学モデル
中枢神経・末梢神経・自律神経系の異常が体の状態に与える影響
④代謝エネルギーモデル
栄養素の吸収や老廃物の排泄、
代謝、免疫などの異常が体の状態に与える影響
⑤行動モデル
心理的・社会的また環境の悪化が体の状態に与える影響
一般的な整体やマッサージのようにただ一方的に揉みほぐすのではなくて、この5つのモデルの中で患者さんに何が悪い影響を与えているかを考えていきます。
例えば腰痛がある女性がいたとして、筋肉の問題だけでなく骨盤内の血液循環不全から腰痛が生じる場合もあります。その場合は骨盤内の循環を促してから自律神経系の緊張を整えて、姿勢指導などのエクササイズや食事指導などを組み合わせて治療計画を立ていくような流れになります。
またその内容は患者さんの状態や原因、生活習慣、精神状態などのストレスの有無、仕事の内容、既往歴、トラウマ、環境因子など様々なパターンに分かれます。
一人一人に合わせた改善方法を患者さんと協力して探していくのが当院の特徴です。