当院ではオステオパシーの哲学に基づき、患者さん自身が持っている治癒力を促すことで症状の改善を図っていきます。
治療の流れ 問診
最初に問診をして、患者さんの背景を把握するところから始めます。
患者さんの主訴(困っていること)や既往歴(今までかかった病気や怪我など)仕事内容、食事、ストレス状態など割と細かく聞いて、原因を突き止める要素を集めていきます。ここで「〇〇の可能性があるかな?」とある程度のあたりをつけていきます。
治療の流れ 身体検査
次に身体の検査。
姿勢はよいか、神経系の緊張感はないか、呼吸や血の巡りなど循環系はどうか、関節や筋肉はきちんと動いているか、精神状態は安定しているか、悪いところだけでなく逆に良いところはないか、など、様々な検査を組み合わせて全体的な状態を診てから徐々に局所的に検査して、特に強い問題を引き起こしている部位を探していきます。
MRIやレントゲンなどの検査で原因が分からず来院される方が多いですが、身体に触れて動かしたりしてみると「あれ?ここ画像上は問題ないのに関節や筋肉の動きが全然ないな。ここは逆に動きすぎてるな。」と、意外と隠れた問題が見つかることがありますね。
病院での検査とはまた違った目線で患者さんの身体を診れるのがオステオパシーの強みの一つです。
治療の流れ 治療計画
問診と身体の検査から導き出された根本的な原因を見つけたら、治療計画を立てて治療に移ります。
症状の原因や病態・発症した期間・問題の多さや程度などから改善するまの期間を予測してから、そのために必要な治療法を選択していきます。
治療の流れ 治療方法の選択と目標
私が行う施術とセルフケア(エクササイズ・食事など)を組み合わせることで効率良く改善を図れます。また、症状が改善したら通院は終了になるのですが、終了した後も一緒に練習したセルフケアを続けてもらうことで再発の予防になります。ここが最終的な目標です。
正確な問診と検査を行うことが出来ると、問診で得られた主観的な内容と客観的な検査の結果がリンクするところが出てきます。そういった所は根本的な原因であることが多く、改善する可能性が高いように思います。
治療の流れ 施術
1回の施術でに調節する部位は場合にもよりますが5〜6箇所です。必要な部位に必要な分だけしか治療しません。
Find it, Fix it, and Leave it alone. (Dr. Andrew Taylor Still)
「病変を発見し、それを治療し、そして放置せよ」
Dr. Andrew Taylor Still
(1828~1917)
スティル博士の言葉です。私の医学概念はオステオパシーの治療哲学に基づいており、治療者が治すのではなく、あくまで治るきっかけを作るのが治療者(オステオパス)の仕事で、患者が持っている自然治癒力が自ずと改善へと導いてくれます。
治療の流れ セルフケア
施術が終わったら自宅で行うセルフケアを練習・共有します。主には身体を動かすエクササイズと食事の調節です。
エクササイズは特に動きが悪いところを動かすように練習します。食事は栄養的な感じですが、サプリや栄養食品を使ったりといったことはほぼしていません。何か良いものを摂取するより身体に合っていない悪いものを減らす方が圧倒的に早く良くなるように思います。お金もかからないですし。
また、施術は1〜3週間に1回くらいの頻度で進めていきますがこの時に大事なのは施術と施術の間です。私といる時間は一瞬で、それ以外の時間をいかに過ごすかが良くなるための秘訣です。なのでセルフケアがどのくらい出来ているかを毎回確認します。宿題ですね。
良くなりたいと強く想っている方は自ら与えられた課題をきちんとこなすので良くなる可能性が高いです。お任せしますみたいな人は良くならないです。患者さん自身が出来ることは出来ることはできるだけしてもらい、出来ないことは私がします。協力していくのがいいですよね。
治療の流れ その後
2回目の来院時にどのくらい身体が変化しているか再チェックします。
色々なパターンがあるのですが、基本的には2つの柱で改善しているかどうかを判断していきます。
- 主観的評価(痛みの改善具合)
- 客観的評価(身体のバランスや施術者が診た身体の状態)
良くなっているかどうか判断するパターンを紹介します↓
パターン①
患者「前より腰の痛みが半分以下になってます」👍
術者「前より体の動きがいいですね」👍
この場合はvery goodですね!方向性が良い証拠なので、間隔を空けながら進めていきます。
パターン②
患者「痛みが変わりません」👎
術者「前より体の動きがいいですね」👍
この場合は症状に変化はありませんが身体は変化してきているので継続で問題ありません。身体の変化に症状の変化がついていっていないか、まだ身体の変化が足りないためです。数回の施術と期間が必要です。
パターン③
患者「前より腰の痛みが半分以下になってます」👍
術者「身体の変化がない」👎
患者さんは良くなっていると感じているのですが、身体が良い方に変化していないパターンです。少ないですがたまにあります。これは一時的なもので、すぐ再発する可能性があり不安定な状態です。また施術以外の要因で良くなっている可能性もあるので要注意ですね。
パターン④
患者「痛みが変わりません」👎
術者「身体の変化がない」👎
これは方向性が間違っている可能性が高いです。最初に立てた治療計画に誤りがあるので再評価して計画を練り直します。
治療の流れ まとめ
以上の流れを繰り返しながら、改善を目指していきます。
なにより患者さんとの協力関係が重要です。当院を受診する患者さんは本当に治したいという気持ちを持って来られる方ばかりです。そんな気持ちに応えられるよう日々精進していきます。