2025.04.08
  • オステオパシーについて
「頭痛の原因はストレスだけ?」自律神経の乱れと頭痛の深い関係とは

【はじめに】

「頭が重い…」

「肩こりの奥にズーンと響くような痛みがある」

「天気が悪くなると決まって頭痛がする」

こうした頭痛に悩まされている方、特に20代〜30代の女性にはとても多い印象です。

特に、昔から体調を崩しやすく、自律神経が乱れやすい方は、頭痛が“慢性的なもの”になってしまうことも。

今回は、「頭痛」と「自律神経」の関係について、最新の医学論文や、オステオパシーでの臨床経験も交えて、わかりやすくご紹介します。

【なぜ、自律神経が乱れると頭痛になるのか?】

■ 自律神経とは

自律神経は、「交感神経(活動モード)」と「副交感神経(休息モード)」のバランスを保ちながら、

私たちの体温、呼吸、血流、内臓の働きなどを24時間コントロールしている神経システムです。

■ 頭痛との関係

実は、慢性的な頭痛の多くに、この自律神経のアンバランスが関係していることがわかっています。

【ポイント①:交感神経の過剰な緊張】

ストレス、長時間のデスクワーク、睡眠不足などによって、交感神経が常に“オン”の状態になると、

• 血管が収縮し、頭部への血流が減る

• 筋肉(特に首〜後頭部)が緊張し、神経を圧迫する

→ 結果として、「緊張型頭痛」や「片頭痛」が起きやすくなるのです。

💡 参考論文

Akerman, S., Holland, P. R., & Goadsby, P. J. (2011). “Diencephalic and brainstem mechanisms in migraine.” Nature Reviews Neuroscience, 12(10), 570–584.

→ 片頭痛における視床下部〜脳幹の自律神経調整機能の異常が関与することが示唆されています。

【ポイント②:迷走神経の乱れと感覚過敏】

20代〜30代女性に多いのが、「頭痛+吐き気+音や光に敏感」という症状の組み合わせ。

これは、**脳神経のひとつ「迷走神経(副交感神経)」**の働きが不安定になっているサインです。

迷走神経は、胃腸・心臓・喉・耳・脳幹などとつながっており、

緊張や不安で機能が乱れると、

• 胃のむかつき

• 喉の詰まり感

• 息苦しさ

• 頭への感覚過敏(頭鳴、音がうるさく感じる)

といった**「自律神経性の頭痛+全身症状」**が出てきます。

【こんな方は要注意】

• 職場で緊張している時間が長く、帰宅後に頭痛が出る

• 生理前や天気の変化に頭痛がひどくなる

• コーヒーやスマホをやめたいのに、やめると頭痛がする

• 頭痛薬を常備していて、週に何度も飲んでいる

→ これらはすべて、自律神経のリズムが乱れている可能性のあるサインです。

【オステオパシーではどう見る?】

オステオパシーでは、頭痛を「局所の痛み」としてだけでなく、

身体全体の神経・血流・内臓の状態との関係性から評価します。

特にアプローチする部位:

• 頭蓋骨の緊張と脳脊髄液の流れ(CV4、後頭骨周辺)

• 首まわりの自律神経叢(交感神経系の密集エリア)

• 横隔膜の動きと迷走神経の通過ルート

• 胃・肝臓・腸などの内臓緊張(副交感神経の影響)

→ こうしたアプローチにより、神経系の“切り替え”が起こりやすい状態を作り出します。

【まとめ】

「頭痛がある=頭の問題」と思われがちですが、

実際にはその背景に、自律神経の乱れが潜んでいるケースがとても多く見られます。

• 体がリラックスできない

• 緊張しやすい性格だと自覚している

• 昔から体調を崩しやすい

そんな方は、まず神経の「切り替え力」を高めるケアを意識してみてください。