2025.08.26
- 森田智史ブログ
頭痛と自律神経の深い関係
頭痛には「ただの痛み」以上の背景があります。
特に片頭痛や群発頭痛では、三叉神経(顔の痛みを伝える神経)と副交感神経が反射的につながる仕組みが大きな役割を果たしています。
この反射が過剰に働くと、激しい頭痛に加えて「涙が出る」「鼻がつまる」「吐き気がする」といった自律神経症状が同時に現れます。
つまり、頭痛の正体は「痛みの神経」と「自律神経」が複雑に絡み合った現象なのです。
本記事では、この仕組みをわかりやすく解説し、さらにオステオパシーでできるアプローチについてご紹介します。
1. 自律神経の役割
自律神経は 交感神経(活動・緊張) と 副交感神経(休息・回復) から成り、心拍・血管・消化・体温などを自動調整しています。
頭痛ではこのバランスの乱れが、血管の拡張や神経の過敏性を引き起こします。
2. 三叉神経と副交感神経の結びつき
三叉神経とは
- 顔や頭の痛みを脳に伝える最大の脳神経。
- 特に「三叉神経脊髄路核」を通じて、痛みや温度刺激が入力されます。
副交感神経との反射回路
- 三叉神経の感覚入力は、脳幹(橋のレベル)にある上唾液核や孤束核に情報を伝えます。
- そこから 副交感神経節(特に蝶口蓋神経節:sphenopalatine ganglion, SPG) に接続。
- この回路は「三叉神経-自律神経反射(trigeminal–autonomic reflex)」と呼ばれます。
この反射が起こすこと
- 副交感神経が過活動すると 涙腺・鼻腺が刺激される → 流涙・鼻水・鼻づまり
- 同時に頭蓋内の血管が拡張し、さらに三叉神経が刺激されて痛みが悪化
- つまり「痛み」と「自律神経症状」が同時に出るメカニズムです
3. 片頭痛における乱れ
- 発作時に 交感・副交感の切り替えがうまくいかない ことが研究で示されています。
- その結果、血管の収縮と拡張がアンバランスになり、拍動性の頭痛・吐き気・消化不良が出ます。
- 片頭痛患者では 心拍変動(HRV)が低下 しているという報告もあり、自律神経の調整力そのものが弱っている可能性があります。
4. 群発頭痛における乱れ
- 群発頭痛は「片目の奥の激痛」と 流涙・鼻閉 が典型的です。
- これはまさに 三叉神経-副交感神経反射が過剰に働いた結果。
- さらに、発作が同じ時間帯に起きやすいのは 視床下部(体内時計の中枢) と自律神経系が関わっているからと考えられます。
5. オステオパシーでできること
オステオパシーでは、三叉神経と副交感神経に影響を与える「構造と循環」に働きかけます。
- 頭蓋アプローチ 蝶口蓋神経節や三叉神経の走行に影響する頭蓋・顔面の緊張を解放し、反射回路の過活動を鎮める。
- 頸部・胸郭の調整 頸部交感神経節・迷走神経に関わるエリアを整え、自律神経バランスを改善。
- 横隔膜・呼吸の改善 呼吸が浅いと交感神経優位になりやすいため、横隔膜を含めた呼吸機能を整えて副交感神経の働きを高める。
- 循環の最適化 頭蓋内の血流・リンパ流を促進し、炎症性物質や浮腫の停滞を軽減。
まとめ
- 片頭痛・群発頭痛は「痛みの神経(三叉神経)」と「自律神経(特に副交感神経)」の反射回路が深く関与しています。
- 群発頭痛の流涙・鼻閉や、片頭痛の吐き気・消化器症状はその結果です。
- オステオパシーでは、神経反射に関わる構造(頭蓋・頸部・胸郭)や循環に働きかけることで、自律神経の過緊張をやわらげ、発作の緩和・予防に寄与できます。
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